日本旅行を計画中で、飛行機を降りた瞬間からどうやってネットにつなぐか気になっていませんか?eSIMなら、空港でSIMカウンターを探し回ったり、かさばるポケットWi-Fiをレンタルしたりしなくても、日本でモバイルデータ通信を使える、いちばん手軽な方法です。この完全ガイドでは、eSIMとは何か、お使いのスマホが対応しているか、実際にどのネットワークを使うことになるのか、そして出発前に自宅で日本向けeSIMをインストールして開通させる具体的な手順を、順を追ってご案内します。

読み終えるころには、どれくらいのデータ量を買えばよいか、成田空港で起こりがちな「圏外」のパニックをどう避けるか、そして最初の電車に乗る瞬間から最後のラーメン一杯まで、GoogleマップとGoogle翻訳を使い続ける方法がわかるはずです。

eSIMとは?お使いのスマホは対応している?

eSIM(embedded SIM)は、スマホに内蔵されたデジタルSIMです。プラスチックのカードを差し込む代わりに、モバイルデータ通信プランをプロファイルとしてダウンロードし、スマホの設定から有効にします。なくす心配も、差し替える手間も、受け取りに行く必要もありません。

旅行者にとってのメリットは明らかです。出発の数日前に自宅のソファから日本向けeSIMプランを購入してインストールしておけば、飛行機が着陸して機内モードをオフにした瞬間から、すぐにデータ通信が使えます。普段のSIMはそのまま入れておけるので、通話やSMSはいつもの電話番号のまま、日本ではeSIMをデータ通信専用として使えます。

eSIMに対応しているスマホは?

ここ数年のフラッグシップモデルの多くはeSIMに対応していますが、購入前に確認しておくと安心です。目安は次のとおりです。

  • iPhone:iPhone XS、XR、およびそれ以降のすべてのモデル(2020年以降のSEシリーズ全モデルを含む)がeSIMに対応しています。アメリカで販売されているiPhone 14以降のモデルは、eSIM専用です。
  • Google Pixel:Pixel 3以降のモデルは、おおむねeSIMに対応しています(初期モデルの一部のキャリアロック版を除く)。
  • Samsung Galaxy:Galaxy S20以降のモデルと、最近のNote、Z Fold、Z FlipシリーズがeSIMに対応しています。

つまずきやすい点が二つあります。一つ目は、スマホがSIMロック解除済みであること。特定の通信会社に縛られた端末では、旅行用eSIMを受け付けない場合があります。二つ目は、地域限定モデル(たとえば中国本土や香港で販売されている一部の機種)には、eSIMのハードウェアが搭載されていないことがある点です。いちばん確実なのは、設定を開いて「eSIMを追加」または「モバイル通信プランを追加」という項目があるか確認することです。あれば、そのまま使えます。

日本向けeSIMとポケットWi-Fi、物理SIMカードの比較

旅行者が日本でネットにつなぐ方法は大きく三つあり、それぞれ一長一短があります。比べてみましょう。

eSIM

eSIMはスマホの中にあり、すぐに開通でき、受け取りも返却も不要です。充電する機器が増えることも、保証金を払う必要もありません。一人旅やカップルの旅行なら、たいていいちばん安くて便利な選択肢になります。必要なのは、eSIM対応でSIMロックが解除されたスマホだけです。

ポケットWi-Fi

レンタルのポケットWi-Fi(モバイルルーター)は、複数の機器で共有できるWi-Fiの電波を飛ばす小さな箱です。大人数のグループや家族で一つの回線を何台ものスマホで使いたい場合や、スマホがeSIMに対応していない場合には向いています。デメリットは、空港のカウンターや郵送で受け取って返却しなければならないこと、充電する機器がもう一つ増えること、そして本体から離れると電波が届かなくなることです。

物理SIMカード

従来の旅行用SIMも問題なく使えますが、普段のSIMを抜いて(どこか安全な場所に保管して)差し替える必要があります。しかも、たいていは到着後に空港のキオスクや自動販売機で購入することになり、時差ボケの体で行列に並ぶことになります。eSIMなら、そうした作業はすべて出発前に済ませられます。

旅行者のタイプ別に費用を比較した詳しい解説は、専用ガイド日本のeSIM・ポケットWi-Fi・SIMカードの比較をご覧ください。

実際に使えるキャリアのネットワークは?

多くの旅行者が見落としがちな点ですが、日本での通信エリアは基盤となるネットワークの品質で決まるため、とても重要です。日本向けeSIMは、国内の大手携帯電話事業者のネットワークで動作します。多くの場合はNTTドコモまたはソフトバンクで、どちらも全国に広がる4G/LTEのエリアを持ち、主要都市では5Gも拡大中です。

実用面でのポイントは、東京・京都・大阪をはじめ、旅行者がよく訪れる「ゴールデンルート」全域なら、街なかでも駅構内の大半でも、さらに東海道新幹線の多くの区間でも、ほぼどこでも速く安定した通信が期待できることです。深い山あいや人里離れた地域、長いトンネルの一部では電波が弱くなりますが、一般的な旅程のほとんどでは、日本向けeSIMで安定してネットにつながります。

北海道の郊外、日本アルプス、沖縄の小さな離島など、定番ルートから大きく外れる場合でも、人が住むエリアや幹線道路沿いなら概ね良好に使えます。ただし、地元の人たちと同じように、ときどき圏外になる場所に出会うこともあります。

成田・羽田に着陸する前に:インストールと開通の手順

旅行用eSIMの鉄則は、離陸前にインストールし、到着したら開通させることです。多くのeSIMは、自宅で(自分のWi-Fiを使って)プロファイルをインストールしておき、日本に着いてからデータプランを「開始」できるので、利用日数をむだにしません。ご利用のプランに付属する開通手順は必ず確認してください。一般的な流れは次のとおりです。

出発前(自宅でWi-Fiに接続して)

  1. プランを購入する。旅行の日程に合ったデータ量と期間を選んで、お支払いを完了します。QRコードやインストール情報がメールで届きます。
  2. eSIMプロファイルをインストールする。iPhoneでは設定 > モバイル通信 > eSIMを追加に進み、QRコードをスキャンします(詳細情報を手入力することもできます)。Androidでは設定 > ネットワークとインターネット > SIM > eSIMを追加から行います。この操作ではプロファイルをダウンロードするだけで、必ずしもデータ通信がすぐ始まるわけではありません。
  3. 回線に名前を付ける。eSIMに「日本データ」などの名前を付けておくと、普段使っている回線と区別しやすくなります。
  4. 現地に着くまではオフのままにしておく(または、ご利用のプランの開通手順に従ってください)。それまでは、普段のSIMをメイン回線のままにしておきましょう。

日本に到着したら

  1. 機内モードをオフにします。
  2. モバイル通信の設定で、日本向けeSIMをモバイルデータ通信の回線に設定します。
  3. eSIM回線のデータローミングをオンにします。意外に思えるかもしれませんが、旅行用eSIMは現地のネットワークにつなぐために、ほぼ必ずデータローミングを有効にする必要があります。(予期せぬ請求を避けるため、普段のSIMのローミングはオフのままにしてください。)
  4. ネットワークに登録されるまで、一、二分待ちます。「DOCOMO」や「SoftBank」といったキャリア名が表示されるはずです。

これで完了です。手荷物受取所に着く前にはもうオンラインになっています。空港のWi-Fiがまだバックアップとして使えるこのタイミングは、日本向けeSIMのプラン詳細を開いて、きちんとつながっているか確認するのにもぴったりです。

データ量の選び方:7日間と14日間でどれくらい必要?

いちばんよくいただく質問は「何ギガバイト買えばいいですか?」です。正直なところ、旅の仕方によって変わります。ただ、多くの旅行者は、アプリによっては必要量を多く見積もりすぎ、別のアプリでは少なく見積もりすぎる傾向があります。日本でデータを大量に使うのは、Googleマップ(慣れない駅構内で絶えず道案内を使う)とGoogle翻訳(とくにメニューや看板を読み取るカメラモード)、そして自動アップロードをオンにしている場合の写真・動画のバックアップです。

地図、翻訳、メッセージ、SNS、ウェブ閲覧、ときどき写真をアップロードする程度の標準的な使い方を想定した大まかな目安として、多くの旅行者が余裕を感じる範囲は次のとおりです。

  • 5日間:ライトから標準的な使い方なら、数ギガバイトで十分なことがほとんどです。
  • 7日間:初めての旅行者の多くには、数ギガバイト台の中間クラスのプランが合います。
  • 10日間:ワンランク上のプランにして、余裕を持たせましょう。
  • 14日間:大容量プランか、無制限・大容量上限のプランにすれば、節約を気にする必要がなくなります。

動画をストリーミングしたり、ビデオ通話を頻繁にしたり、ノートパソコン向けにスマホをテザリングで使ったりする予定なら、使用量は一気に増えます。その場合は、大容量プランか無制限プランを選びましょう。毎晩ホテルのWi-Fiを使えて、データ通信が必要なのは主に外出中だけという方は、容量を少なめにしても大丈夫です。アプリごとの詳しい内訳は、日本で必要なデータ量のガイドをご覧ください。

トラブルシューティング:APN、「圏外」、データローミング

eSIMのトラブルの多くは、設定がどこか逆になっていることが原因です。到着後にデータ通信ができないときは、慌てる前に次のチェックリストを順に確認してください。

「圏外」または接続できない

  • 機内モードはオフになっていますか?当たり前のことですが、長時間のフライトのあとは忘れがちです。
  • eSIM回線のデータローミングはオンになっていますか?これがいちばん多い解決策です。旅行用eSIMは、日本のネットワークにつなぐためにローミングを有効にする必要があるのが一般的です。
  • モバイルデータ通信にeSIMが選ばれていますか?普段のSIMがデータ通信の回線のままだと、日本向けプランは使われません。
  • 機内モードをオン・オフしてスマホにネットワークを再検索させるか、スマホを再起動してください。

つながっているのにネットが使えない(APNの問題)

まれに、データの通り道を決める設定であるAPN(アクセスポイント名)が自動で設定されないスマホがあります。APNが必要な場合は、ご利用のプランの案内に正しい値が記載されています。iPhoneでは設定 > モバイル通信 >(お使いのeSIM)> モバイルデータ通信ネットワークで、Androidでは該当SIMのアクセスポイント名で入力します。ほかがすべて正しいのにページが開かないときは、APNが未設定か間違っていることがほとんどです。

ネットワークの手動選択

スマホが自動で接続してくれない場合は、キャリア設定で「自動」のネットワーク選択をオフにし、ご利用のプランが使うネットワーク(NTTドコモやソフトバンクなど)を手動で選んでください。接続できたら、あとで自動に戻しておきましょう。

もう一つのコツです。開通メールとAPNの情報は、スクリーンショットや印刷したものを、スマホにオフラインで保存しておきましょう。ネットにつながらないときに、開けない受信トレイの中に手順が閉じ込められていては困ります。無料Wi-Fiや必須の旅行アプリなど、ネット環境を保つ方法をもっと広く知りたい方は、日本でネットにつながり続けるためのガイドをご覧ください。

出発前のかんたんチェックリスト

空港へ向かう前に、最後に次のステップを確認しましょう。

  • スマホがeSIM対応でSIMロック解除済みであることを確認する。
  • 自宅のWi-FiでeSIMを購入してインストールする(海外に着いてからにしないでください)。
  • 開通メールとAPNの情報をオフラインで保存しておく。
  • ご利用のプランの開通のきっかけを把握しておく(インストール時に始まるものもあれば、日本で初めてネットワークに接続した時点で始まるものもあります)。
  • 到着したら、eSIMについて機内モードをオフ、eSIMをデータ回線に設定、データローミングをオンにする。
  • 出発前にVisit Japan Webの登録を済ませ、バックアップとしてオフライン地図をダウンロードしておく。

日本でのネット接続は、一度やってみれば本当にこれだけ簡単です。離陸前にeSIMをインストールし、到着したらいくつかのスイッチを切り替えるだけで、到着した瞬間からGoogleマップ、翻訳、乗換アプリ、メッセージが使えます。空港のカウンターも、SIMの差し替えも、レンタル品の返却も必要ありません。旅行の日数とデータ量に合ったプランを選ぶ準備ができたら、日本向けeSIMプランをご覧いただき、心配ごとをひとつ減らして旅に出かけましょう。

よくある質問

自分のスマホは日本向けeSIMで使えますか?

ここ数年のフラッグシップモデルの多くがeSIMに対応しており、iPhone XS以降、Google Pixel 3以降、Samsung Galaxy S20以降が含まれます。スマホがSIMロック解除済みである必要もあります。設定を開いて、「eSIMを追加」または「モバイル通信プランを追加」の項目があるか確認してください。

日本向けeSIMはいつインストールして開通させればよいですか?

eSIMプロファイルのダウンロードにはインターネット接続が必要なので、出発前に自宅で自分のWi-Fiを使ってインストールしてください。多くのプランでは、日本に着いてからデータ利用の開始を選べるため、日数をむだにしません。到着したら機内モードをオフにし、eSIMをデータ回線に設定して、その回線のデータローミングをオンにしてください。

日本向けeSIMでデータローミングをオンにする必要があるのはなぜですか?

旅行用eSIMは、ローミングパートナーとして現地のネットワーク(通常はNTTドコモまたはソフトバンク)に接続するため、動作させるにはeSIM回線のデータローミングを有効にする必要があります。eSIMはプリペイド方式なので、追加料金は発生しません。ただし、普段のプランで料金が発生しないよう、ご自身のSIMのデータローミングはオフのままにしてください。

日本旅行にはどれくらいのeSIMデータ量が必要ですか?

地図、翻訳、メッセージ、SNSといった標準的な使い方なら、5日間の短い旅行は数ギガバイトで足り、7~10日間の旅行なら中間からやや上のクラスのほうが安心です。二週間の旅行や、動画のストリーミング、テザリングを使う場合は、大容量プランか無制限プランを選んでください。日本でデータ通信を最も多く使うのは、GoogleマップとGoogle翻訳です。

日本向けeSIMで「圏外」と表示されます。どう直せばよいですか?

まず、機内モードがオフになっていて、eSIMがモバイルデータ通信に選ばれていることを確認してください。いちばん多い解決策は、eSIM回線のデータローミングを有効にすることです。それでもだめなら、機内モードをオン・オフするかスマホを再起動し、プランに記載された正しいAPNが入力されているか確認するか、ネットワークを手動で選択してから自動に戻してみてください。

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